「中高年層のひきこもり対策について」

2021年09月09日(木)

 昨日行われた一般質問の、2つ目の項目は「中高年層のひきこもり対策について」です。

 

 平成30年度の内閣府の調査で中高年(満40歳〜満64歳)のひきこもりの出現率は1.45%で推計数は61.3万人と報告されました。また、その内、ひきこもり状態になってから7年以上経過した方が約5割を占めており、長期に及んでいる傾向がみられます。

 

 そこで、本市において実態の把握は行われているのかを、問いました。また「8050問題」にも該当しますが、就職の失敗や失業等が原因でひきこもりとなる中高年層に対して、どのような対応策がとられているのかを質し、関係団体との連携のもと、中高年層のひきこもりに関する適切な相談支援体制を確立し、その窓口を明確化すべきではないかということについて、見解を問いました。

 

 市の答弁は、以下の通りです。

・市内における中高年層のひきこもりについては、アンケート等による実態把握は実施していないが、生活困窮者自立相談支援事業において、年間10〜20件の社会的孤立や離職・無職を主訴とする相談に対して支援している。

・失業等によるひきこもりに対しては、その原因に関わらず、ご本人の希望を確認しながら地域活動や身近な居場所経の外出等の社会参加支援に加え、就労準備支援、ハロ−ワーク等の連携による就労支援を行っている。

・相談支援体制は保健福祉センターの総合相談を窓口として、生活困窮者自立相談支援事業を中心に、関係機関との連携のもと訪問による継続支援や居場所づくり、親の会の開催等、ご本人やご家族への相談支援を行っている

 

 まずは、市内における実態調査を実施し、現状を把握することが重要ではないかと考えます。実態調査を行えば、本市にとってどのような支援が必要になるのかなどの課題も浮かび上がってくるものです。質疑の中では、実態調査の考えはないとの答弁があり、残念に思いました。ちなみに明石市では、市内における実態調査を通して、令和元年に全国初で「ひきこもり相談支援課」を新設し、多様な専門職員を配置して、「ひきこもり専門相談ダイヤルの設置」や訪問相談を行う等の支援を行っています。この施策に関わらず、市長のリーダーシップのもと、様々な取り組みにおいて全国初としてメディアに取り上げられることも多い明石市の、その意気込みは見習うべき点でもあります。

 

 また、本人の回復への長い道のりを共に乗り越えるため、家族にも寄り添い、抜け出したいと望む方には適切な支援を行うことが必要であると考えます。市は、現状の体制のままで受け皿としての機能を十分発揮していると認識しているのか、疑問に思います。どこに相談したら良いのかわからずに悩んでおられる方が、まだまだ多く存在しているのではないでしょうか。若年層における不登校・ひきこもり・ニートに関する相談窓口については、若者相談センター「アサガオ」が定着していますが、中高年層における相談窓口については、明確化されていないように感じます。

 

 本市も「誰一人として取り残さないまちづくりをめざす」のであれば、「助けてほしいと言われて初めて動き出す」という発想ではなく、「こちらから早期に状況を察知して、話を伺う」と言うスタンスが必要です。

 

 ひきこもりは、長期化することにより精神症状や二次的な問題行動を引き起こしてしまう可能性があり、そこから一生抜け出せなくなるケースもあって、全国的に深刻な課題となっています。加えて経済的困窮や社会的孤立に追い込まれている実情もあり、超高齢社会のなかで、本市においても問題の裾野が広がるのではないかと危惧しています。

 

 現在、ひきこもりに関しての相談体制として保健福祉センターの総合相談窓口にて対応をしているとの答弁でしたが、市民の利便性に鑑み、相談機能を本庁内に移す考えはないのでしょうか?福祉に関連した手続きを集中して行うことも可能となり、利便性が向上するのではないかと考えます。

 

 ひきこもりの状態にある方、生きづらさを抱えている方をしっかり受け止める社会をつくっていくためには、本市においても、せめて中高年層に対するひきこもり相談窓口を明確にし、情報の一元化を図りつつ、関係団体との連携による相談支援体制を構築して頂きたいと思います。あらゆる方が孤立することなく生きていくことができる地域共生社会の実現に向けて、そのような取り組みが進められることをこれからも要望していきます。