市町村議会議員特別セミナー
3日から1泊で
滋賀県大津市にある全国市町村国際文化研修所(JIAM)での研修に参加。
議員1期目にも何度か参加していますが、
抽選により参加者が決まりますので、外れることも多々ありました。
JIAMは久しぶりです。
二日間に渡る研修のテーマは、以下の通りです。
8/3 東大名誉教授 大森彌氏
「なぜ地域包括ケアシステムなのか」
東京市三鷹市長
「三鷹市が進める協働による地域福祉とコミュニティ創生」
8/4 NHK報道番組ディレクター 新井直之氏
「チャイルド・プア~子どもの貧困から見えてきたこと~」
日本理化学工業株式会社会長 大山泰弘氏
「知的障害者に導かれた企業経営から皆働社会実現への提言」
以上4つのテーマでしたが、
すべてが興味深く、多くのヒントを得ることができました。
「地域包括ケアシステム」については、
私も、昨年の市議会における一般質問で、その「今後の市の方針」を問いましたが、
その本質はとても複雑なものです。
「地域包括ケアシステム」は、少子高齢化が急速に進む中、
高齢者を在宅で支える社会システムで、
自宅での暮らしを地域で支ようとする試みです。
人が人生の最終ステージに向かう時期を豊かに過ごすためには、
どのような支援体制が求められるのかが、
このシステムの重要なテーマになります。
地域の事情がそれぞれ異なり、抱える問題も様々である中、
実効性のある地域に適したシステムを構築することは急務であり、
地方自治体における医療・介護行政に対するリーダーシップが必要とされます。
いつかは私も行く道・・・この問題にはしっかり目を向けていきます。
「チャイルド・プア」については、以前NHKで放映されましたが、
その時の報道番組ディレクターである新井直之氏による講演でした。
豊かな国であるはずの我が国において、
子どもの相対的貧困率は16.3%、6人に1人は貧困であるという事。
その中でもひとり親の貧困率は54.6%と深刻で、先進国では最悪の水準であること。
とても衝撃的でした。
その背景はひとり親の厳しい経済事情との複合的な要因によるもので、
なかなか見えにくく、問題の根深さを実感しました。
解決するには金銭的な支援のみでなく、心の貧困にも対処しなければならないとのこと。
「子どもの貧困は自立して生きていくために必要なあらゆる機会を奪うだけでなく、
生きる意欲さえ失わせる。その行きつく先は、10年後、20年後の日本の崩壊かもしれない」
心に残ったフレーズです。
今回の講演では貧困の報告のみならず、今後の取り組みとして、
高校授業料無償化制度やスクールソーシャルワーカーについての紹介もありました。
子どもの貧困対策については、
「教育分野と社会福祉の専門的な知識や技術を有した専門家が
課題解決に向けて支援体制を築くこと」が重要になるということを認識しました。