臨時議会が開催されました

2020年03月26日(木)

〜都市再開発特別会計予算案は否決〜

令和2年第1回定例会は3月23日に閉会しましたが、その際に修正可決した第20号議案および第23号議案に対して、市長より再議書の提出があり、26日に臨時議会が開催されました。

臨時議会での審議の結果、修正予算案は本会議の結果から一転して否決されました。また、改めて市長提出議案(原案)について審議した結果、一般会計予算案は可決、都市再開発事業特別会計予算案はあらためて否決となりました。

〈今までの経過〉

1946年(S21)

芦屋市の玄関口のひとつであるJR芦屋駅地区の開発について、戦後復興事業として交通広場・駅前線の都市計画が決定。以降、駅北側の整備が優先され、南地区は未整備状況が続く。

1995年(H7)

阪神・淡路大震災により公的予算を要したため、事業の延期を発表。

2011年(H23)

市と地元住民が協議を再開。

2017年(H29)

総事業費約130億円で都市計画が決定される。

完成時期は2023年3月の予定。

2020年(R2)

施工期間を3年半延長し、2026年9月に変更する方針を示す。地権者との交渉が長期化し、週休2日制の工事が始まったことが、その要因。

加えて、駅前区域の地価上昇により、地権者に支払う用地取得費の総額が当初から約1.4倍の約99億7,000万円に増加することに。また、建築資材高騰等により総事業費が60億円近く膨らみ、約188億円の見込みとなった。

<否決に至った流れ>

3/16 予算特別委員会にて3会派(自民党・公明党・BE ASHIYA)の代表者が修正予算案を提出。

内容

適切な見直しが、行われるまでの事業停止

再開発特別会計予算の事業費約11億6,000 万円減額

一般会計予算の関連予算の減額を求める。

理由

事業費が今後さらに膨れ上がる可能性がある

市の財政状況の深刻化が予測される

3/23 本会議にて修正予算案は賛成多数で可決

3/26 市長が再議を求めたため、臨時議会を開催

修正予算案は 2名の議員が態度を一変させて否決(再議の場合 2/3の賛成が必要なため)

改めて市長提出議案(原案)を審議

→ 都市再開発事業特別会計予算案は否決

→ 一般会計予算案は可決

3/31 都市再開発特別会計予算の暫定予算(4月〜6月の人件費他)を専決処分とする

本予算は、6月定例会に再提案されると思われる

〈私の考え〉

本地域の再開発は、長年にわたる交通課題の解決が主な目的であり、その重要性は理解しているものの、258億円(ペデストリアンデッキ等関連事業費も含む)に及ぶ巨額の総事業費と市の負担額の大幅な増加が問題になっています。

厳しい財政状況や景気悪化を踏まえると、今後の市民サービスの提供に支障をきたす恐れが生じるため、事業を一時休止し、見直しを行うべきであると考えます。

臨時議会において、一般会計予算については新年度からの市民生活に影響が及ぶ可能性もあるため賛成し、都市再開発特別会計予算案には反対をしました。その理由は以下のとおりです。

投資的経費の上限が未設定

この再開発事業は、これまで投資的経費に対する上限設定が無いまま進められてきたため、総額予算が大きく増加する見込みになっています。

また、用地取得交渉が難航し、事業期間は3年半も延長される方針です。

計画では駅南地区に商業ビルや住居、公益施設が入る地上11階地下2階のビルやロータリーが整備される予定ですが、事業費は当初の130億円から約188億円にまで膨らみました。

これらの数字を見ていると、採算性や経済効果が不透明なままに進められているのでは?と不安に思うとともに、このままでは今後も様々な項目が追加、増額されていく可能性があることも懸念されます。

さらに、事業費について、市は「必要経費である」との答弁ですが、コスト縮減や歳入確保に向けての取り組みは全く示されていないということにも疑問を感じます。

市の財政の深刻化

市は、毎年2月に10年先までの一般会計の収入及び支出の見込みを計上した「長期財政収支見込み」を発表していますが、それによると今後、社会保障関係費用の増加に加え、公共施設の老朽化対策費等で令和11年度までの収支不足額の合計は104億円となる見込みです。

この不足額は、基金で補てんすることになりますが、その基金残高も令和9年度には0になることが見込まれています。

なお「長期財政収支見込み」には、作成の時点で予測できない経費は計上されていません。そのため、仮に近年多発する自然災害が発生した場合を考慮すると、さらに厳しい財政状況に向かうことが強く懸念されます。

ここであらため強調したいのは、再開発事業というものは、財政の健全性が保たれる範囲で実施すべきであるということです。

コロナショックによる影響

本市では社会の景気動向による影響が市税収入に大きく反映されてきました。今回の新型コロナウイルス感染拡大により予測される経済の激変は、世界経済に大きな影響を与え、芦屋市の財政収支にも苦しい状況をもたらすことが考えられます。そしてコロナショックによる景気の落ち込みは、いつまで続くのか先行きが全く見通せないのが現状です。

基金残高も何ら対策を講じなければ、マイナスとなるおそれがあるなか、少子高齢化と人口減少社会の到来を想定する必要もあります。

このような緊迫した財政状況下、魅力ある芦屋をめざすにあたり、見直しがないまま本事業を進めてよいのでしょうか。

今後、本市が直面する「人口問題」や「市税収入の厳しい見通し」という課題を踏まえ、いかにコスト削減と歳入確保につとめていくのか、持続可能で安定的な行政運営に今こそ立ち戻ることが急務であると考えます。これからも引き続き慎重に判断してまいります。