一般質問を行いました
12月定例会における一般質問は、2番目に登壇しました。
「一般質問」は、議員にとって重要な議会活動の一つです。行政全般における事務の執行状況や方針、今後の見通しなどについて、議員が執行部に説明や見解を求め、市民が抱える課題の解決に向けて働きかける場でもあります。
今回のテーマは以下の2項目です。
1. 芦屋の貴重な自然、いもり池の環境を守るために
奥池南町にあるいもり池には氷河期の生き残り植物といわれるサギスゲが生育しています。2020年に兵庫県内で唯一の自生地として、そして芦屋市が誇る自然資産として、その希少性から兵庫県版レッドリストで「Aランク(絶滅危惧種)」に指定されました。
しかしながら、いもり池のある土地は、民間が所有する土地であるため、関与することが難しい状況です。令和以前は各種団体の協力により、樹木の枝払い等の活動が行われてきましたが、現在は途絶えています。令和5年に土地の所有者が変更されましたが、今後、土地所有者のご理解とご協力を得ながら貴重な自然資源としてサギスゲを保存していくために、継続的に保護を進めていくことが重要であると考えます。そこで今後の方向性について市の考えを問いました。
2. 図書館の充実に向けて
近年、多くの自治体が行政サービスの一環として電子図書館を導入しています。電子図書館は電子書籍をインターネットなどのネットワークを介し、通常の図書館と同じように貸し出すシステムです。必要に応じていつでも利用できることは、非常に大きなメリットの1つあり、障がい者サービスや子育て支援にもつながるのではないかと考えます。しかしながら、近年、電子図書館サービスの閲覧数は、減少傾向にあります。利用者数を増やすための現在計画している具体的な取り組みの有無、また、今後の取り組みについて質問を行いました。
壇上においての質問と答弁は以下のとおりです。
芦屋の貴重な自然、いもり池の環境を守るために
いもり池における「サギスゲ」保護の現状について伺います。
答弁:「サギスゲ」保護の現状については、いもり池が私有地であり土地所有者の立ち入り許可が得られていないため、中に入っての確認ができていない状況である。
民間が所有するこの土地に関して、環境保全についての協定を締結していると認識しています。令和5年に土地の所有者が変更されているが、その効力は引き継がれているのか、市の見解を伺います。
答弁:「いもり池の環境保全に係る協定」については、正しくはイモリ谷の協定であり、「いもり池」の協定は存在しないことが確認された。当時の説明が正確でなかったことについて訂正してお詫びする。
市民や子どもたちが「サギスゲ」の重要性を学び、保全活動に主体的に関わる機会をどのように創出していくのか。持続的な保全体制について、市の考えを伺います。
答弁:自然環境の豊かさのPRについては、昨年度に策定した第4次環境計画の大きな柱の1つとして、自然共生を掲げ本市も含む多様な主体で、学びと共創をテーマに取り組んでいる。今後も市民・事業者・団体に加え、国・県との連携のもと、広報あしや、刊行物、市ホームページやSNSを活用し、市街地でありながら、自然に囲まれた本市の魅力発信を行いたいと考えている。
「サギスゲ」をはじめとする貴重な自然環境は、将来に受け継ぐべき重要な資産であると認識している。一方、「サギスゲ」などの植物は、過度な踏み込み等により損われる恐れがあることから、現地ではなく、広報あしやのほか、環境等のイベントでの情報発信を通じて学びの機会を創出したいと考えている。これらの取り組みを着実に進めることにより、土地所有者のご理解ご協力を大前提としつつ、市民や団体の方々が主体的に関わるサギスゲ保全の輪を広げ、引き続き、貴重な自然環境を次世代へ継承できるよう努めていく。
令和7年4月から、自然共生サイトを法制化した新法・地域生物多様性増進法が施行されました。学術的価値の啓発にもつながる自然共生サイトへの認定について市の考えを伺います。
答弁:「自然共生サイト」制度は、私有地も含めて、多様な主体が保全している地域の自然環境を「見える化」し、その学術的・生態学的な価値を社会全体で共有・評価していく枠組みであり、生物多様性の保全と地域の魅力向上に資する有意義な制度だと認識している。ただ、私有地を「自然共生サイト」へ認可するには、土地所有者のご理解・ご同意が不可欠である。そのため、私有財産権の尊重と地域の貴重な自然、環境の保全とのバランスに充分配慮しながら、地域生物多様性増進法の趣旨を踏まえた取り組みを丁寧に進めていく。
図書館の充実について
電子図書館サービスの利用者数が減少している現状について、どのような認識を持っているのか市の見解をお尋ねします。
答弁:電子図書館サービスの利用者が減少している要因は、新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金で令和4年度に購入したコンテンツの閲覧期限が終了し、人気のコンテンツが減少したことが挙げられる。また、サービスの周知が行き届いていなかったことも要因だと分析している。
電子図書館のサービス向上に関して、目標とする具体的な数値指標(KPI)は設定されているのか伺います。
答弁:電子図書館のKPIは、次期文化推進基本計画において年間の閲覧総数を目標値として設定している。
紙の書籍と電子書籍を比較した場合、どのような利用傾向の違いや課題があると分析されているのか伺います。
答弁:利用者層については紙の書籍は、40代50代の方の利用が多く、電子図書館は小学生の利用が多い傾向がある。そのため、電子書籍は小・中学生向けコンテンツを中心に購入し、利用促進を図っている。一方で、電子書籍の課題は、公共図書館向けのコンテンツが限られていること、また紙の本に比べて高額で、閲覧回数に制限があることなど。
電子図書館サービスが図書館の機能の中でどのように位置づけられているか、将来的なビジョンについて伺います。
答弁:電子図書館はいつでもどこでも読書を楽しめる非来館型サービスとして重要であると考えているので、今後も来館型サービスと合わせて読書活動を推進していく。
全国的に雑誌スポンサー制度が広がりつつあります。これは図書館が所蔵する雑誌の購入費用を、民間企業や団体・個人(スポンサー)に負担していただく代わりに、その雑誌のカバーなどにスポンサー名や広告を掲載する制度です。本市においても制度の導入を要望しますが、市の考えを問います。
答弁:雑誌スポンサー制度は、他市の状況も踏まえ、広告事業による財源確保が可能か検討していく。

