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「里親制度について」の議員研修会が開催されました。

里親制度については、今年の広報あしや2月号に特集記事として取り上げられました。

この課題については、党派を超えて議員間で共有すべき内容であると考え、議員研修会のテーマにすることを議長に提案したところ、それが実現して、本日、園田学園女子大学人間教育学部准教授の原田旬哉先生、そして芦屋市で17年間里親をしている山下さんをお迎えしての研修となりました。

 

「里親」とは、生み・育ての「家族」と一緒に生活ができない子どもと共に、「家族」として生活する人のことです。なお、虐待や、保護者の病気、離婚等の様々な理由により、保護者・家庭から離れて生活しなければならない子どもは、「要保護児童」と言われています。

 

里親と聞いてまず初めにイメージするのが、法的に親子関係を結ぶかたちの「養子縁組里親」で、以前からハードルが高いものだと思っていました。しかし、里親のかたちはその他に、0歳から18歳の要保護児童を一定期間養育する「養育里親」や、お正月や夏休み、週末など数日から1週間程度子どもを迎える「季節・週末里親」などもあります。

 

里親制度は子どもたちが心身ともに健やかに成長し自立ができるようになることをめざす「子どもたちのための」制度であり、登録されている「里親に適していると思われるご家庭」が里親を委託されます。現在、芦屋市における里親の登録は少数であるため、行政としては、里親制度についての理解を深めるための周知を継続して実施していくことや、里親支援の強化に向けての取組みの必要性を感じました。

 

さて、日本では、2016年に児童福祉法が改正され、子どもが権利の主体であることと、家庭で同様の環境における養育を推進することが明記されました。

 

子どもの権利条約は、「子どもは家庭環境の下で幸福、愛情及び理解のある雰囲気の中で成長すべき」としており、国連の指針は、原則として家庭養護を活用することを求め、施設養護を特定の条件を満たす場合に限るよう、各国に求めていることが背景のようです。

 

しかし、日本は先進諸国の中でも家庭養護が低調で、施設養護に著しく片寄っており、子どもの権利の観点から問題であると指摘されていることに、社会的養護の関係者は衝撃を受けています。

 

国から発表された「社会的養育ビジョン」には里親委託や特別養子縁組の目標数値が、「施設vs里親」といった二分法により示され、施設養育が否定されていますが、これは施設で育った子どもの育ちを否定することに繋がり、偏見や誤解が助長される危険性を示唆し、優位性を示すために一方を否定することは得策ではないとの見解もあります。これは、つまり、国の方針により、里親委託と養子縁組を増やす方向性が示されても、施設療育を否定すべきではないということです。

 

今年の1月より、事務所前の掲示板には、継続して里親のポスターを掲示しています。一人でも多くの方にポスターをご覧いただくことで、里親制度に対しての認知度が高まることを期待します。

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