総務常任委員会 行政視察「新庁舎の整備について」②埼玉県越谷市

視察2日目は埼玉県越谷市へ。
2021年に建て替えられた越谷市新本庁舎は、「市民と職員が空間を共有し、お互いの活動を高め合うオープンな構造」を取り入れた点が先進的であると評価されています。市民が憩うスペースと職員が働くスペースを有機的に繋いでいる点など、その内容や特徴についてご教示いただき、現在芦屋市で進めようとしている庁舎リニューアルにおいて、床スペースの有効利用などの検討の際に参考にいたします。
〈越谷市の概要〉
越谷市は東京都心から約25キロ圏内にある人口約34万人の住宅都市で、江戸時代には宿場町として商業が発展し、元荒川、葛西用水などの多くの河川、用水が流れるなど緑豊かな自然に恵まれています。2008年には、広大な調整池を中心に、良好な住宅地や国内最大級の大型商業施設が集まる親水文化創造都市「越谷レイクタウン」が誕生しました。市政施行は昭和33年11月3日。人口は34万1,379人(令和8年4月1日現在)。埼玉県南東部に位置しており平成27年に中核市に移行しました。
〈新庁舎について〉
1969年に建設された越谷市役所旧庁舎は、築50年以上が経過し、老朽化とともに防災対策、情報化・バリアフリー化への対応が不十分な状況にありました。そこで、庁舎敷地内での本庁舎の建て替えを目指し、2014年に基本的な方針を示す「越谷市本庁舎整備基本構想」を、2016年には具体的な計画である「越谷市本庁舎建設基本計画」を策定し、その後、一部見直しや基本設計・実施設計を経て、2021年に本庁舎が竣工。続いて、市民協働ゾーンや外構整備を行い、2024年3月に全体が完成しました。
設計コンセプトには「中核市・越谷の新たな拠点となる『人・環境・歴史・安心』をつなぐ庁舎」を掲げています。環境とつなぐ『水郷テラス』は市民の憩える場所として開放感があり魅力ある空間となっていました。また、人と人をつなぐ『みんなのひろば』は、エントランス棟のエントランスホールを1・2階吹抜けとし、各種イベントや市民交流にも活用できる場として整備され、にぎわいある空間を創出しています。安心をつなぐ『防災拠点』については、災害による緊急時に空路からアプローチも可能とするため「ホバリングスペース」が屋上に設けられていたり、大地震の際に天井材等の落下防止に向け、天井を張らない構造になっている点は興味深いものでした。
窓口業務については、総合窓口化ではなく、個別窓口の効率化と手続きの短縮化を推進しています。なお、フリーアドレス制の導入は行なっていないとのこと。越谷市では新庁舎の検討組織に、議会からも参画しています。
〈所感・感想〉
- 越谷市は新本庁舎の建設において、行政手続きのためだけの空間にするのではなく、テラスやエントランスホールなど「市民が日常的に気軽に立ち寄り、憩えるパブリックスペース」を確保し、地域の景観や歴史的アイデンティティと融合させている点で、参考になる素晴らしい事例でした。越谷市が新本庁舎建設の基本理念の筆頭に掲げている「すべての市民に開かれた庁舎」という着眼点は、芦屋市の今後の施策にとっても重要であるといえます。現在、芦屋市役所北館1階のカフェスペースは、多くの方が利用される憩いの場になっていますが、こうした現状を踏まえ、本市においてもさらなるパブリックスペースの充実に向けた施策を求めたいと思います。
- 議場には発言者の声をクリアに聞き取れるようにするため、床に磁気ループが装備されています。加えて親子傍聴席が設けられ、誰もが議会に参加しやすい環境が整えられており、参考となりました。 ご対応いただきました中野区役所、越谷市の職員の皆様、お世話になりありがとうございました。

